マンション管理士のコレ聞いて!!

マンション管理士の世界-2

2024年2月16日 カテゴリ: 業界情報

前回はマンション管理士の活動について、団体加入の視点からご紹介しました。
後編の今回も現役マンション管理士の松山マンション管理士に、各団体の活動内容についてお話いただきます。

 

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いつもお読みいただきありがとうございます。
マンション管理士職人(勝手に名乗っています)の松山です。

 

【団体の活動内容】
マンション管理士事務所を経営するためには、当たり前ですが人脈、営業活動、知識・経験が必須となりますが、資金はそれほど必要ではありません。
聞く限り、東京会では人脈形成に役立つものとして、支部という地元に根差した組織があり、そちらが有用とのことです。会全体では、委員会に加入する等して、運営側に回らない限り、積極的な人脈形成につながるような機会はないとのことでした。
各支部では、行政の相談会やセミナーなどを行っているようで、地元のマンションに根差した相談事業を行っているようです。支部によって活動内容の活発度合いはどうやら異なるようです。

 

営業活動の面ではどうでしょうか。
東京会では、業務の受託や顧客の獲得は各自が考えるべきことであり、会が支援するような性質のものではないという趣旨の発言があったとのことで、独自の営業活動を支援する活動は、どうやら見当たらないようです。

 

しかしながら、お隣の千葉県では、エルダー制度という先輩マンション管理士のカバン持ちを行い、後輩が現場で知識・経験を得て、顧問補助という実績まで獲得できるような制度を有償で設け、会がそういった機会を積極的に支援しているケースもあり、会によって異なるのだと思われます。 東京会にはそういった制度はないようです。
また、研修も2~3か月に1回あるようで、企業の施設見学なども積極的に行っているようですが、1受講当たり、1,000円~2,000円程度の有料課程のようで、講師はベテランマンション管理士が務めることが多いとのことです。

 

一方で東京の方では、マンション管理適正化診断という制度が連合会であり、これが出来るのが一つの魅力とのこと。マンションから、保険料を算出するために適正化診断の依頼があった場合には、各支部にその案件が下りてきて、支部の誰かが受託することができるという制度のようです。
聞いた話では、1物件あたり25,000円程度の報酬が受けられ、報酬の10%を会に収めるシステムだそうです。

 

さらに続けると、東京都には区部もあり、先ほどの東京会では各支部があり、それとは別に地域に根差したマンション管理士会も多く存在します。
同じ地域でそれぞれが覇権を取るべく、しのぎを削っているような状況にあります。
このような状況で果たして顧客である管理組合をまとめ上げることができるのか? などという声が聞こえてきそうです。
資格ができて20年経つのにもかかわらずこのような状況というのは、同じマンション管理士として残念に思います。

 

このように、まだまだ、マンション管理士の世界は混沌としていますし、食べられないマンション管理士もいっぱいいます。私はなんとか10数件の顧問先を獲得し、継続的な年間契約を維持できていることから、何とか生活できているレベルです・・。東京都内のマンション管理士さんは、管理組合さんという潜在顧客が潤沢でうらやましい限りです。

 

はい、ということで、今回は特に東京都のマンション管理士の世界をご案内しました。
え?資格を取りたくなくなった? それはとても申し訳ないことです・・が、これだけマンションがあって、食べられないマンション管理士が多いということは、ライバルが大したことがない人が多いと考えるか、そもそも事業として成り立たないのではないか?と考えるか、ブルーオーシャンなのでは?と考えるか、やり方次第で成功できるということでもあると思います。
ちなみに、わからないことがあったときによく電話で教えてくれる仲間のマンション管理士さんは、一人でやっていますが、30件以上の顧問先を持ち、年収で1,500万円を超えるとか・・。
資格試験講座のページでは、400万円程度と書いてありましたが、どこのデータに基づくものなのでしょうね。

 

さて、これを聞いて、皆様はマンション管理士の世界をどう思いますでしょうか?

 

 

(松山マンション管理士)

 

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いかがでしたでしょうか。
次回は「マンション管理士の業務についてのアンケート」から、マンション管理士の実態についてご紹介いたします。

 

どうぞお楽しみに。