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管理規約にこれ入れとこう-1 (外国人ほか多様性対応 その1)

2023年12月8日 カテゴリ: 管理組合

先日アドバイザリーを行った管理組合さまは、区分所有者の約半数が外国籍の方のマンションでした。
管理組合を取り巻く環境は変わり、それによって管理規約の変更や追加が必要な場合があります。
今回は「管理規約にこれ入れとこう」と題し、あると便利な規約について、当サイト会員の松山マンション管理士よりご紹介いただきます。

 

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標準管理規約※が国交省から出されていますが、マンション管理士として様々なマンションの現場に出つつ、管理規約を眺めていると、標準管理規約にこういう条文があれば参考になっていいのにな、という思いや気付きがあります。それらを今後、ひとつひとつご紹介していきます。

 

外国籍の区分所有者が最近増加しています。
マンションにはそれなりのルールが必要ですが、日本にある不動産であることから、標準管理規約では日本人しか所有しないことを暗黙の了解としています。
そのため、外国籍の方への配慮や対応が記載されていない、ということになります。

 

上記のような状況で、まず必要なことは管理組合内で使用する「言語」の設定です。
「管理組合内で使用する言語は、日本語とする」というような設定を、条文として作っておくとよいでしょう。

 

また、外国籍区分所者が、総会や管理規約を翻訳・通訳してほしいという要望時に、どちらがその費用を負担するのかも決めておくと、不要なトラブルが生じず便利です。

 

当職の経験では、外国語で運営したいとの要望のある管理組合から、業務を受託できる管理会社は国内に存在しないと理解しています。
今後、出てくるのでしょうか?

 

今回は以上です。

 

 

(松山マンション管理士)

 

※標準管理規約 ・・・ 国土交通省が公表しているマンションの管理規約のひな形であり、モデルパターン。

 

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外国籍の区分所有者は、今後も増えることが予想されます。
外国語での運営に対応できる管理会社がない場合、理事会で対応する必要があります。
不要なトラブルを生まないために、外国籍の区分所有者を視野に入れた規約準備の必要性を、改めて感じました。

 

次回の「管理規約にこれ入れとこう」もどうぞお楽しみに。